MITACLEというサービスからVのモデルがいろいろ最近でている。
といっても私は購入してないので概要だけ拾ってみた。小分けされた実物のブロックを自分で組み立ててフィギュアにして楽しむ。その際、3D設計書なるものをオンラインで見て助けにすることができる。この3D設計書が、それ自体で鑑賞可能なキャラクターの3Dモデルとして公式サイトで公開されているのが特徴だ。モデルに対してぐるぐるとカメラを回し拡大縮小することができ、制作過程を1から順序立ててたしかめることもできる。だから発想としては、マイクラのキャラメイク+レゴブロックなどの伝統的な工作物性をくっつけたようなものだろう*1。
オンライン上で鑑賞できる電脳少女シロモデルの3D設計書
デジタルなボクセル表現とアナログのブロックトイ構造を直接話として繋げるのは一見するよりやすやすとはいかない点があるように思える。それらとピクセルアートを繋げるのは、さらにもっとべつの難点──語るには一定の前議論的な準備が要るだろうということ──が感じられるだろう。とはいえ、あたかもそんな難点がないかのように乱暴に振る舞うなら、構成されたグラフィックデザインにおける最小単位へと心を向かせる点で、やはりこれらが横断的にまとめて考えてみたい気持ちを誘う表現領域であることもたしかではないだろうか*2。あるいは上記のMITACLEがそうだが、経験的にはけして1×1の最小単位をひとつひとつ積み重ねて完成させる訳ではないのだが(組み立てるためのパーツはあらかじめ固有のブロック容量を備え分けているから)、そうであるからこそイメージが完成した時点でそこから今度は最小単位のほうが析出されて見えてくることなどが(恣意的な縮尺のグリッドをバックスクリーンとして投影することに成功するなら)。いずれにせよイメージの最小単位というとらえかたは私には今も考えがいがある。
*1:G-antの公式文では「2Dイラストを3Dにするブロックトイ」と簡潔にキャッチコピーがついている。https://www.g-ant.co.jp
*2:この、全体を組織する個々の物質の「最小単位」が同時に、実サイズにおいてはいつでも恣意的になりうる、という尺度のあざむきがgnck「電子のメディウムの時代、デジタル画像の美学」(光岡寿郎・大久保遼編『スクリーン・スタディーズ デジタル時代の映像/メディア経験』所収)の示唆していた重要な論点でもあった。