今年でた新刊で気になったもの。

ジーン・リン『帰属の美学 板前の国籍は寿司の味を変えるか』

www.u-tokyo.ac.jp

 

少し前に中川克志さんがニーナ・サン・アイズハイム『声の人種』(未邦訳)という本を紹介していたが(「声を通じて人種を想定する行為がいかに文化的な営為であるか」)、ここらへん関連を感じる。私が偶然両方眼にしたというだけだが・・

after34.blogspot.com

 

なお上の『帰属の美学』は源河亨さんのXで知った。源河さんのpostだとたぶんその話を受けて、音楽鑑賞の際にその音を制作した人物の音楽的プロフィール(影響元など)によってイマイチに感じたりよく聞こえたり、という話もしていたと思う。私が例をあげるとなるとやはり今はVtuberかな・・ということもある。とくにデビューした配信者の初配信に向き合う際の話にはなる。ある場合は先行する配信者の面影や他人の空似的なニュアンスを汲み、べつの場合はあれこれのcharacter(多義的に・・)を刻一刻と流れる「聴覚映像」(ソシュール)の上に走らせてみる訳だが・・・。こうした営為自体はとても一口には言えない層を無数に通るので、断定的な物言いはつつしみながら、とにかくいろいろな部分を拾うことではないだろうか。