マンガ研究者の陰山涼さんのサークル

ryokageyama.com

ううんいろいろ読みたい・・・!とりあえずFLiP vol.1はboothで入手が容易なのでうれしい。

 

夏目房之介の本をいろいろ最近借りてて。私、夏目さんがある時期まで表現論と同接でとりおこなっていた「模写によるマンガ批評」に未練があるんですよね。論じたいマンガのキャラを模写する、線やデザインをなぞることで、語りに踏みこむステップにする。その未練はそのまま、マンガを自分の手でも作成しながら議論対象の描線についてのディスクールを理論的に構成もできるような研究者の出現をどうしても欲してしまう今、という自分の思いにもつながるけれど。キャラクター図像の描線を起こしているとき、ほんとうにリアルな過程においては、あとから言われるようなこととは実際にはぜんぜんべつなことが生起しているんじゃないかという。私自身ラクガキを行っているとき、描線に対して「ぜんぜんべつなこと」を思念/身体図式として乗せているのを感じる、しかしいつもテキストではとりこぼしてしまう。

模写によるマンガ批評へ 僕自身のマンガ批評史2【夏目房之介のマンガ与太話 その27】 | マンバ通信 - マンバ

そう、絵を描くときの実感、マンガを作り上げている瞬間の身体性が、批評言語から抜け落ちているように感じていたのである。

これは小説家でなければ小説のことは判らない式の恫喝的な図式ではきっとなくて、夏目さんが回想もしてるように、マンガを読んでいる間、紙面の上で立ち上がっている筈の線を追う・線をつくることの実際的な快楽をディスクールがしばしばうまく拾い上げられないもどかしさに対するひとつの直接的なアプローチでもあったと思うけど、アニメを模写しながらアニメ感想をつくってみるという(この日記の)当初の発想のいくぶんかはそういった思いを汲んでもいる(・・・・・といいな、という・・・・)。