人形ポポイ

聖剣伝説2リメイクにこの前やっと手をつけた*1。ポポイを見るたび落涙激しい私。私にとってのゲームの妖精キャラはポポイであり妖精キャラの定義はそこで終了していた*2。オイラであり、性別不明。ドワーフの老人に育てられ、かれからの愛称はチビすけである。主人公の気の弱い男の子ランディをニイちゃんと呼ぶ。間違ってもおにいちゃん♡の方向ではなく、当世のネットクリシェをいささか投げやりに流用するなら「スラムのガキ」的な気のよさから発しているところのニイちゃんな訳である。ああ。

 

しかし今あらためて私に響くのは聖剣伝説2のマニュアルや当時のCMに無造作に顔を見せていた、メインキャラクター3人のあの「人形」だ。ソフトの制限でゲーム内ではドット絵で小さく描画されてますけど、ほんとはこの子たちはこんな顔なんですよ、という「説明」のためにゲーム外の資料を通じて顔グラフィック/イラストレーションがかつて用意されてきたのだとすれば、聖剣伝説2が持ってきたイメージは手描きイラストなどではなく、リアルに造型された「フィギュア」だったのであり、その衝撃の質は今も新鮮であり続ける。

聖剣伝説2の説明書・P02-03 / 聖剣伝説2攻略 ─ 全マップ完備・リメイク版対応:ゲーム攻略メモ

『聖剣伝説2 SoM』幻のフラミー人形復活計画…小山田Pの願いを謎の匠が叶える!? | インサイド

あるキャラクターのイメージ図があり、それと同一人物の、しかし「べつの水準のイメージ図」との間の距離からリアリティがなにかしら顔を見せるのだとすると、ドット絵とフィギュアは取り合わせとしてすでに十分強度あるものに思われた。私は顔とイメージについて、いつかまたポポイたちを思い浮かべながら綴ろう。ゲーム画面にドット絵で動き回るポポイと、説明書に静かな祭りのように立ち現れる人形のポポイとの間のざわめきによって。

 

 

ケロブラスターのレベルデザインを担当していた方の回想と開発タネ明かし。すばらしい。

note.com

*1:BGMは評判が悪い新規バージョンでやっている。どれだけ懐かしかろうと今あるゲームがかわいそうだから。あと画面がフレッシュな状態でBGMだけ当時のものに戻そうったってそう簡単じゃない、もう合わないのだから。

*2:忘れてはならないが同時代的には天野こずえ浪漫倶楽部」(1995~)のコロンもいた。そういうキャラばかりすきになったのだ・・・。