40年代のブギウギミュージックに早くも高校生から入れこんでいた福原音が、YMOほかの細野晴臣を祖父に持つ細野悠太と大学で出会い、あっという間にふたりでユニークな音楽を組織しはじめるという、最近見聞きしたなかではかなり純度の高い「ストーリー」を抱えたChappo。この種のストーリーは受容者に対してどういう方向にも振れうるけれど、勝手な印象だとふたりは過度な抵抗を示さないことで存在的に清潔さが保たれてるように感じる。あとインタビューで読めるふたりの交友の過程などわりとくらくらしてしまうところが。
細野晴臣のラジオのゲストで。
そういう訳でブギウギの先入観を与えられてしまうがこの"ふきだし"(そしてB面"オープニング")の印象だと、不思議とTortoise以後のUSインディ~マルチインストゥルメンタルなアメリカーナ/ポストロックの空気もある。そういうエディット感覚やそれこそ「CITY」なノリは時代的に所与のものとしてたぶんありつつ、しかしテーマメロディーは目鼻立ちのくっきりしたもの。