この前投稿したクショ絵。実は最近コンビニ売りのまとめ本でよく学んでいる。酒のほそ道ラズウェル細木)とか。

 

長門洋平「『君の名は』の歌声──戦後日本の「メディアミックス」と聴覚文化」(『映画産業史の転換点 経営・継承・メディア戦略』所収)。

長門さんのこれを目当てに借りてきた。うかつなことに54年の松竹映画のほうの「君の名は」が対象だったが・・・・、結局おもしろく読んだ。タイトルに歌声とあるが狭義のサウンドスタディーズ的な分析よりも、ここではマイケル・レインが新しく定義づけるところのメディアミックス観に文化論・産業論的な視点からアプローチしている。個人的には、とくに広く「キャラクターソング」を考えたい際に、54年版の「君の名は」も参照する必要があるのかなという気がする。

 

田切博『キャラクターとは何か』。たぶん題名を見て期待するだろうような、そういう本ではないです。注意。が、そういう話もしてる。どうもメディアミックスの圏内での議論を続けて読んでしまっているが。

 特にヨハン・カスパール・ラファーターが『観相学断片』で主張し、十八世紀から十九世紀にかけてヨーロッパで流行したひとの顔などの見た目からその性格や内面が読み取れる、とする「観相学」は現代のマンガや小説にも直接的な影響を与えている。(……)

 ……テプフェールはこの『観相学試論』の中で「(恒常的(パーマネント)なものである)性格」と「(一時的なものである)表情」を分けて論じている。(……)

(前掲書、pp.110-111)

そのほか先日ふれたジャクリーヌ・ベルント編『マン美研』、石子順三著作集などを借りてきて議論を拾っているところ。