力になっている描き方本

 

・背景描きかた漫画(沼原望)

泣きたくなるほど判りやすい 犬丸先生のかんたん! マンガパース術も非常に美しい本なのですがあれはやはり情報が多くさらにその凝縮度も高度に思われたので、沼原本から先に入るべきだった気が。

パースをとるのは楽しいこと、背景を増やすのはうれしいこと・・・ということをまず全面的に受け入れてみたくなった。「パースや統一性についていろいろ思うところある」のは、もちろんあるのだけど、それはもうあとでいい。

 

・まんがでわかるまんがの描き方 まんがのネームは字コンテからつくれ 編(大塚英志・浅野龍哉・砂威)

不必要に読みにくくさせないためのコマ割りや構図の技術を多めに拾うことができる。具体的に話をつくり、それを絵にし、コマを整理し並べる一連の過程のなかで、できるだけ不毛に立ち止まらせまい(=マンガを描きたいひとを無意味に疲弊させまい)という配慮でかかれている本。アオリやフカンを速攻で簡単に表現できる「悪いライフハック」などの伝授もありがたい。エイゼンシュタインからのモンタージュ理論と戦前の日本の誤読とそこから生じた屈折点や、絵巻物をマンガ化することを通してストーリーテリングの妙を探るなど大塚英志文脈らしい議論も盛りこまれて通例のマンガの描き方本と比較するとさすがにアクロバティック。

 

次作へのイメージボード作りなど